科学研究は、AI for Scienceの流れの中で大きな転換点を迎えています。文部科学省もAI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針を示し、AIを単なる解析ツールではなく、研究生産性と国際競争力を支える基盤として位置づけています。
材料研究では、計算・文献・データベースを用いたDRY研究と、合成・評価・解析を担うWET研究を分けて考えるだけではなく、両者を閉じたループとして接続することが重要になっています。マテリアルインフォマティクス、自律実験、ロボティクス、LLMエージェントを組み合わせることで、仮説生成、実験計画、測定、解析、次の条件提案までを連続的に回す研究スタイルが現実味を帯びてきました。
近年の総説でも、AIエージェントは論文探索、合成計画、データ解釈、自動実験装置との連携へ広がりつつあり、self-driving laboratoryは化学・材料探索の新しい研究基盤として議論されています。無機材料合成の自律ラボでは、計算データ、機械学習、文献知識、能動学習、ロボット実験を統合し、短期間で候補材料の合成を進める例も報告されています。
本学会のWeb発信と会員ページは、こうしたパラダイムシフトを会員が学び直し、議論し、研究に取り込むための入口にしたいと考えています。解説動画や資料アーカイブでは、AI for Scienceの考え方、DRYとWETの接続、バイオマテリアル研究におけるデータ駆動型アプローチを、実験現場の言葉に引き寄せて整理していきます。